西宮市I様邸
太陽光の恵みや緑・風の心地よさを積極的に取り入れたエコロジー住宅。
震災トラブルを乗り越え無事完成した長期優良住宅。
私たちの記憶に新しい東日本大震災は東北地方に未曾有の被害をもたらし、遠く離れたここ関西でもその影響は少なからずありました。西宮市のI様邸も、建築の過程でそうした影響を受けられたお宅の一つです。
I様はお勤め先の社宅使用定年を機に新築をご検討。お嬢様の中学校校区内で土地を見つけられ、その後ヨークベルとご縁ができました。建物は長期優良住宅として2011年5月末の竣工を目指し2月に着工しましたが、基礎工事が終わった段階であの震災が起こりました。
3.11直後は東北地方からの資材供給が一気に途絶え、日本中の流通がパニック状態になりました。I様邸はその時点で設備機器や建材の発注をもう済ませていましたが一部の商品が入荷しません。仕方なく納期対応できるメーカーで代替品を決め、融資を受けるための完了検査もキッチンが取り付いてない状態で行うという特例措置を受けて、なんとかほぼ予定通りに竣工にこぎ着けたということです。
震災後の節電要求にも対応する、太陽光発電をはじめとした省エネ設計。
I様邸の外観で先ず目を引くのは、屋根の上の太陽光発電パネルです。その建てたタイミングにより震災の影響を受けたI様邸ですが、一方で太陽光発電システムや長期優良住宅への補助金制度をタイムリーに活用でき、リーズナブルに高い性能を備えられる恩恵を受けました。
1階のLDKにお邪魔して今時の家だなと感じたのは、ダイニングの壁面に掛かったカラフルな液晶パネル。これが太陽光発電システムの運転状況や電気の使用状況が表示されるモニターでした。太陽光発電システムは、昼間に発電された電力のうち使わず余った分を電力会社が買い取る制度がありますが、これにより、多い月では1万円弱の収入にもなるということです。このモニターによる”電気の見える化”で節電の意識が高まり、毎日楽しくチェックするのが習慣になられたそうです。 そしてもう一つ、節電に一役かっているのが、LDKとつながった和室の掃き出し窓に備え付けられた通風式の電動シャッター雨戸です。少し値が張るアイテムでしたが、これさえ閉めておけば夜エアコンを使わず窓を開けて風を通しても防犯面で安心なので、取り付けてとても良かったとのことでした。
リビングダイニングの窓は、心和ます自然との接点。
この家で最も印象的だったのは、リビングダイニングに横長に広がる窓です。隣の家の壁面との間に少しスペースがあり、そこに目隠し代わりに数本木を植えられたらしいのですが、それらを映すこの窓が何とも心を和ます雰囲気なのです。その木の1本には鳥が巣を作っていました。この窓は樹木の四季の移ろいを感じ鳥の生態も観察できる、ささやかだけど豊かな自然との接点なのです。
I様邸に訪れた際、入居してから初めて飼われたというワンちゃん(ゴールデンレトリバー)やセキセイインコに出迎えてもらいました。たった2時間程度の取材でしたが、こうした生き物や緑、風、太陽エネルギー、そしてあの大震災のことに触れ、暮らしの豊かさや環境への配慮、安全性といった観点から、あらためて住まいが自然と上手に関わることの大切さを感じました。そして、その一つの答えがこの家であると思いました。
I様より
建築中に東日本震災が起こり、一時はどうなることかと思いましたが、臨機応変に対応いただき無事完成に至りとても感謝しています。 住んで一年、2階に水道を引いておけば自分の部屋でも趣味の絵が描けたのにと少し後悔はありますが、住み心地としては大変満足しています。
実例概要
- 【所在地】
- 兵庫県西宮市
- 【土地面積】
- 147.32m²
- 【延床面積】
- 106.81m²(32.31坪)
- 【構造】
- 木造2階建て
- 【建物本体工事費】
- 1,900万円 母屋補強含む
(坪単価58.8万円) - 【建築】
- 平成23年5月竣工
- 【工期】
- 平成26年 7月~9月
- 【工事内容】
- 内装工事、上下水道配管工事、
ガス配管工事、電気配線工事
実例概要
- 【所在地】
- 兵庫県西宮市
- 【土地面積】
- 147.32m²
- 【延床面積】
- 106.81m²(32.31坪)
- 【構造】
- 木造2階建て
- 【建物本体工事費】
- 1,900万円 母屋補強含む
(坪単価58.8万円) - 【建築】
- 平成23年5月竣工
- 【工期】
- 平成26年 7月~9月
- 【工事内容】
- 内装工事、上下水道配管工事、
ガス配管工事、電気配線工事