吹田市F様邸
日本的な美意識と合理性が暮らしに宿る、クリエーターの家。
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存在感の無さが存在感となる外観。
千里山の閑静な住宅街にひときわ個性を放つ、ファサード(建物正面)に全く窓がない究極にシンプルな建物。ご主人がカメラマンをされていたとあらかじめ聞いていましたが、この外観を見た瞬間、職業の印象通りに豊かな感性とこだわりをお持ちだということが分かりました。「まるで豆腐」と揶揄されることもあるとういうそのデザイン。では表情が乏しいのかと言うと全くそうではなく、塗り壁の陰影深さがむしろ強調され、高級感さえも醸し出しています。そればかりか、背景の空や前に停められた車、オブジェの大きな瓶、アプローチ床の石材ブロックといった周りの存在も、この外観との対比によってとても印象深く感じられました。
これぞミニマリズム!?空の青さや車の美しさをも際立たせる、窓の無いファサードデザイン。
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伝統の障子を今の暮らしに活かす。
ファサードの印象から、室内もさぞかしシンプルなデザインでまとめられているのであろうと想像し玄関を入りました。しかし予想は見事に外れ、目に飛び込んできたのは障子をふんだんに取り入れた「和モダン」のインテリアでした。
LDK空間のリビングゾーンは、大きな吹抜け空間です。陽射しが強すぎる南にはあえて窓を設けず、東の壁を一面障子にしてやさしく室内に光を取り入れています。障子をできるだけ壁面いっぱいに設ける工夫として、掃出しサッシを吹抜けの2階部にも使用しています。障子はこのほかにも部屋間の間仕切りとして使用されています。外からの光を均一にやさしく取り込み、断熱効果もあり、使い方に合わせ臨機応変に空間を仕切ることができる‥この家にとって障子は、単なる和の意匠ではなく、機能そのものなのです。今回F様邸を拝見したことによって、伝統的な障子の良さを再認識しました。
インテリアカラーはダークブラウン色が基調となり、建具や床材などがその色合いで統一されています。洗練されかつ落ち着いたその雰囲気は、ミッドセンチュリー系のモダン家具と良く合います。リビングと障子を介し隣接した洋室は、ダークブラウンの付け柱や付け長押が施され、大正モダンを彷彿させるイメージにまとめられています。現在は、ご主人がお気に入りの椅子で音楽を聴くスペースとなっていますが、将来ご夫婦どちらかに介護が必要になった場合のことも考えて設けられた部屋なのだそうです。
シンプルを極めた外観と障子のインテリアが特徴のF様邸。日本的な美意識と合理性が生きた、住まい手のセンスを感じる一邸でした。 障子を介してやさしく自然光を取り込む、吹抜けリビング空間。
実例概要
- 【所在地】
- 吹田市
- 【土地面積】
- 155.26m²
- 【延床面積】
- 103.50m²(31.30坪)
- 【構造】
- 木造2階建て
- 【建物本体工事費】
- 1,917万円
(坪単価61.24万円) - 【建築】
- 平成22年1月竣工
- 【工期】
- 平成26年 7月~9月
- 【工事内容】
- 内装工事、上下水道配管工事、
ガス配管工事、電気配線工事
実例概要
- 【所在地】
- 吹田市
- 【土地面積】
- 155.26m²
- 【延床面積】
- 103.50m²(31.30坪)
- 【構造】
- 木造2階建て
- 【建物本体工事費】
- 1,917万円
(坪単価61.24万円) - 【建築】
- 平成22年1月竣工
- 【工期】
- 平成26年 7月~9月
- 【工事内容】
- 内装工事、上下水道配管工事、
ガス配管工事、電気配線工事